「いつもふたりきりで」リンゼイ・サンズ
天然ドジっ娘ヒロインとみかけよりかなり繊細な心を持つヒーローという、リンゼイ・サンズお得意設定の物語です。しかし彼女の本に関していつも気になるのが、本のタイトルが内容と若干ズレていることなのです。この「いつもふたりきりで」というタイトルも、内容とタイトルが全然ちがうわけではないけれど、なんかしっくりこない気がする。(しかし原題を知らない)「微笑みはいつもそばに」も、基本人々が死体を引きずって歩いているという内容だけに、微笑みとか特に関係ない内容だよなぁと思うことが多かったので、そこが引っかかるなぁ。
この本もいつも通り!内容に明るいエッチなシーンが満載となっていますね。
いつもふたりきりで (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
- 作者: リンゼイ・サンズ,上條ひろみ
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2009/01/20
- メディア: 文庫
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あらすじ
愛らしい貴族の娘クラリッサは、極度の近視でありながら、めげることなく幸せな人生を送っていた。だが意地悪な継母に眼鏡を禁じられて以来、社交界デビューを果たしたものの相手の顔すら判別できずに失敗ばかり。求婚者たちはつぎつぎと去っていくが、ある日ひとりの男性が彼女にダンスを申し込む。かつて天使と評された顔に、戦争で醜い傷を負った伯爵エイドリアン。やがてふたりは継母の目を盗んで逢引を重ねるようになるが…。ユーモラスで心温まる傑作ラブロマンス。
この本はリンゼイの本の中でも比較的人気があるみたいで、ネットに好意的な感想が多いので、そっち系の感想は他の方に任せます。私が書きたいのは、「あ、リンゼイさん、この設定を考え付いた時は嬉しかったに違いない」ということですかね。だって“眼鏡萌え”ですよ!そして顔に傷のあるヒーロー!私にはリンゼイさんが、「よっしゃ!(と言ったかどうかは知らないけれど)」と1人喜ぶシーンが見えますね。
彼女の作品の特徴は、全体的には軽めに仕上げに対してアクセントとしての重みのある設定を差し込むことで、物語に広がりをつけることです。それに加えてヒロインの積極的なエロへの取り組みですかね。この話でも、割と最初からクラリッサがエロに対してウェルカムかつ好奇心あふれる感じで取り組んでいく、セクシーシーンがいくつも展開します。そしていつものごとくヒロインが命を狙われ、犯人は誰?という謎ときもありますから(ほんとにこの設定が好きだと思う)、リンゼイさんが自分のド定番を楽しく手堅く仕上げてた作品として、読者も同じく笑って読める本と言えるでしょう。