読書備忘録ーロマンチックな回覧板をまわす

これまでに読んだ本の感想をこっそりと書いていく予定 ロマンス小説多めでかなり偏りと多少のネタバレがあります

「愛を知った侯爵」シェリー・トマス

前回の「あなたのそばで見る夢は」が生涯でただ一度の恋を書いているとするならば、この本に書かれている二人の恋愛は、“自分の自尊心を賭けた恋愛(戦い)”という表現がピッタリでしょう。このカップルはお互いとも非常に賢く抜け目ない上に、プライドも物…

「あなたのそばで見る夢は」ロレイン・ヒース

これは一生に一度の恋貫いた2人の話でもあり、私がハーレクインというものに“はまる”きっかけとなった作品でもあります。貴族も舞踏会も豪華な宝石も何ひとつ出てきませんし、登場人物で重要なのは4人だけです。読者は主役カップルがひと月以上もの間、2人き…

「素晴らしきソフィー」ジョージェット・ヘイヤー

この作品はジョージェット・ヘイヤーの代表作とも言われていますが、当然前作の「フレデリカの初恋」同様にラブシーンと呼べるほどの甘い場面はありません。最後から4ページになってやっと主人公たちのカップルが両思いを告白し結婚の申し込みにたどり着い…

「フレデリカの初恋」ジョージェット・ヘイヤー

作者のジョージェット・ヘイヤーは、ロマンス小説愛好家の中でも好みが別れるタイプの作家かもしれません。なぜなら彼女の書く話は、官能シーンどころかラブシーンすらないからです。ヘイヤーは1974年とかなり昔に亡くなっている人なので、作中カップルの愛…

「愛は永遠に」ウェディング・ストーリー2015(「放蕩侯爵と白い真珠」キャロル・モーテイマーその他)

4 人の作家による短編集です。「放蕩侯爵と白い真珠」キャロル・モーテイマー、「ウェルボーン館の奇跡」ダイアン・ガストン、「シークの愛の奴隷」マーガリート・ケイ、「悩める侯爵」エリザベス・ロールズ いつも思うのですが、ハーレクインには、「放蕩ナ…

「夢見るキスのむこうに」リンゼイ・サンズ

この作品はリンゼイ・サンズのデビュー作だそうです。そのせいか、文章がちょっと硬いかな?という部分があったりしますが、当然彼女の持ち味であるエロ・ハプニング(私の勝手なネーミング)がいくつか散りばめられています。ちなみに公爵夫人エマと騎士ア…

「約束のキスを花嫁に」リンゼイ・サンズ

この話はスコットランド領主の花婿ロスがヒロイン・アナベルに一目ぼれをしたことが話が展開するきっかけになっています。しかし私がこの件に関してはっきりさせておきたいことは、ロスが間違いなくおっぱい星人だということなのです!彼がアナベルの可愛ら…

「めくるめくキスに溺れて」リンゼイ・サンズ

この本から学べる貴重な教訓は、「愛はすべて(におい)を越えない」でしょう。リンゼイの書く話には、時々ハイランダー(勇猛な傭兵として広く知られているヨーロッパの戦士の名称)が出てきます。他の作家さんなら戦士と乙女のロマンチックな恋が展開する…

「いたずらなキスのあとで」リンゼイ・サンズ

「微笑みはいつもそばに」に続く第2弾、妹のシュゼットの恋愛編。タイトルこそ可愛らしいのですが、いくぶんタイトル詐欺な内容とも言えるでしょう。とにかくシュゼットが強烈でアクティブ感に溢れたレディ(!)なのが、読んでいるこっちとしては面白くてし…

「微笑みはいつもそばに」リンゼイ・サンズ

この作品から学んだことは、「死体はもっと計画的に移動させよう」と「いくら燃え上がっても窓際でいわゆる男女の“ことをいたす”のは、紳士淑女としてはいかがなものか?(外から丸見えだから)」の2つです。でも多分どっちも一生役に立たない学びだと思いま…

「ガラスの家」ミシェル・リード

ハーレクインによくある「偽装結婚」ものです。それにしてもこの本のヒーローであるデインは、これまで読んだハーレクインの中でもぶっちぎりにワガママでした。出てくると怒鳴っているか機嫌が悪いかヒロインを誘惑しているかという、リアルでは絶対知り合…

「春の雨にぬれても」リサ・クレイパス

「壁の花」シリーズの第4弾、最終巻です。デイジーは「恋の香りは秋風にのって」の主役だったリリアンの妹ですが、リリアンほどインパクトがあるタイプではないので最初に読んだ時にはこの話にあまり強い印象をうけませんでした。しかし時間を置いて再読する…

「冬空に舞う堕天使と」リサ・クレイパス

この話に関しては「満を持して」という言葉がぴったりで、前回からの布石がバッチリ回収されています。女性にとってセバスチャンという男性は死ぬほど魅力的らしいのですが、実は私自身が全くメンクイではないので、(結構最近まで、メンヘラホイホイのハン…

「恋の香りは秋風にのって」リサ・クレイパス

「壁の花」シリーズ第2弾。もうこれは、超ロマンチックとしか言いようがない話です。あらすじだけ読むと、戸惑うふたりってなんだよ!魔法の香水ってなんだよ!という突っ込みが頭をよぎりますが、本編はロマンス小説としてはパーフェクトかもしれません。イ…

「もう一度あなたを」リサ・クレイパス

私がリサの作品が好きな理由の一つに、時間軸がしっかりしていることがあります。この話は前回の「ひそやかな初夏の夜の」から数年遡った時期の話なんですが、「ひそやかな~」には出てこなかったウェストクリフ伯爵の妹アリーンと幼馴染のマッケナとの恋物…

「ひそやかな初夏の夜の」リサ・クレイパス

リサ・クレイパスの「壁の花」シリーズ第一弾。もしかしたらこのシリーズの中では、この第一冊目が、時代背景を含めて一番良くかけているのかもしれないと思います。 「恋愛」という一種の虚構が結婚生活という現実に上手く着地するまでの話。結局アナベルが…

「ときめきは永遠の謎」ジェイン・アン・クレンツ

2018年を迎えるにあたって、今年の目標に「自己開示」をしてみようと思い、読書の備忘録を公開してみたくなりました。どんな本を読むのか読まないのかはその人のかなり個人的な部分なので、これまでわが子にすら読んだ本をあまり知られたくなかったというの…