読書備忘録ーロマンチックな回覧板をまわす

これまでに読んだ本の感想をこっそりと書いていく予定 ロマンス小説多めでかなり偏りと多少のネタバレがあります

「春の雨にぬれても」リサ・クレイパス

 「壁の花」シリーズの第4弾、最終巻です。デイジーは「恋の香りは秋風にのって」の主役だったリリアンの妹ですが、リリアンほどインパクトがあるタイプではないので最初に読んだ時にはこの話にあまり強い印象をうけませんでした。しかし時間を置いて再読すると、実に可愛らしい恋人たちの話というイメージですね。

春の雨にぬれても (ライムブックス)

春の雨にぬれても (ライムブックス)

 

 あらすじ

壁の花」の3人までが幸せに結婚し、残るはデイジーだけ。
花婿を見つけられずにいる末娘に業を煮やしたアメリカ人実業家の父は、2カ月以内に花婿が決まらなければ、父の決めた男性と結婚せよと、最後通牒をつきつけた。
不本意な結婚は阻止できないものか。
ウェストクリフ伯爵はハウスパーティーに花婿候補の紳士を招待してチャンスをつくってくれた。
デイジーは思いをこめて「願いの泉」にピンを投げ入れる。
すると背後に見知らぬ男性が。

 

 

 

デイジーは夢見がちでたくましいタイプではありませんが必要に応じては結構大胆に行動できる子なので、このカップルはこじれそうで案外あっさりまとまり読んでる方にもストレスがありません。恋心を演出する小道具の使い方も上手いし、一見ビジネスライクでも内面は情熱的なマシューのキャラも分かりやすかったです。

それからリリアンの夫であるウェストクリフ伯爵が、なんかしらない間に物分りの良いできる男性にクラスチェンジしていたのでけっこうびっくりしました。「ひそやかな初夏の夜の」の時と比べると、だいぶ性格が丸くなってたのが地味に面白かったです。