読書備忘録ーロマンチックな回覧板をまわす

これまでに読んだ本の感想をこっそりと書いていく予定 ロマンス小説多めでかなり偏りと多少のネタバレがあります

「夢見るキスのむこうに」リンゼイ・サンズ

 この作品はリンゼイ・サンズのデビュー作だそうです。そのせいか、文章がちょっと硬いかな?という部分があったりしますが、当然彼女の持ち味であるエロ・ハプニング(私の勝手なネーミング)がいくつか散りばめられています。ちなみに公爵夫人エマと騎士アマリの初めての床入りは、様々な事情を抱えつつ扉一枚で衆人環視のもとに素早く行われていました。

夢見るキスのむこうに (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション(ロマンス・コレクション))

夢見るキスのむこうに (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション(ロマンス・コレクション))

 

 あらすじ

ハートうっとり、世界が恋するとびきりキュートなヒストリカル・ラブ!! 
待望のシリーズ第一作! 
純粋無垢(?)すぎる新妻が、武骨な騎士を夫に迎えたら……

 

 

リンゼイのファンとしては押さえておこうかなという一冊ですが、とってもオススメかというと微妙。正直ヒーローの騎士アマリの魅力がイマイチ伝わりづらいというか、人物造型が浅いかなーと感じました。ヒロイン・エマに関しても、リンゼイがこう書きたい!みたいなヒロイン像が先行しすぎてエピソードの羅列というか、エマという人物が立ち上がってこないかなぁ。読者としては、魅力的な天然ヒロインを書くのってけっこう難しいのね、と思いました。

でもこのシリーズ二作目の「めくるめくキスにおぼれて」は面白かったので、リンゼイの作家としての伸びしろに関しては、かなり感心したかな。

そもそもハーレクインは美男美女がひと目で恋に落ちる的な、「コレはないわー」という展開が話の基本として存在しています。要はベッタベタの恋物語を、作家の腕一つで最後ハッピーエンドにもっていくわけです。一人のハーレクイン愛好家としては、少々のあたりはずれに関して文句を言わずに、暖かく見守る姿勢を取り続けていこうと思っています。