読書備忘録ーロマンチックな回覧板をまわす

これまでに読んだ本の感想をこっそりと書いていく予定 ロマンス小説多めでかなり偏りと多少のネタバレがあります

「時の扉を開いて」クレスリー・コール

 この話はクレスリー・コールのローア・シリーズ「鏡のなかの魔女」の前作にあたります。出あった瞬間恋に落ちると紹介されており、そう聞くとたいそうロマンチックな感じがしますが、本を読んだ私からすると、あった途端に2人ともムラムラしているだけでは?という疑問しか湧きませんでした。あれ?私の心の目が汚れているの?そんなばかな...(別にロマンチックじゃないとまで言っていない)。

時の扉を開いて (ソフトバンク文庫NV)

時の扉を開いて (ソフトバンク文庫NV)

 

 あらすじ

兄の手により、ヴァンパイアにされたセバスチャン。運命を呪う彼のまえに現われたのは、妹を殺されたことですべての感情を失い、ヴァンパイア狩りを生きがいとするヴァルキリーのケイドリンだった。出会った瞬間、セバスチャンは彼女が運命の相手である「花嫁」だと気づく。ケイドリンもまた、憎むべき相手に身も心も溶かされてしまう。同じ折り、大規模な宝探しレースが開催され、魔法の鍵を入手すべく、ふたりはレースに参加するが…RITA賞受賞作『満月の夜に』に続く大好評シリーズ第2弾。

 

 

ケイドリンはヴァルキリー(戦乙女)*1で、前回でも行われていた「タリスマンズハイ」という宝探しの優勝商品「過去に戻れる鍵」を求めて戦っています。そのケイドリンと一途な吸血鬼セバスチャンが種族を超えて愛し合う感動的な恋物語...というか、基本女王様と下僕っぽい関係だと思いましたね。しかもセバチャンはケイドリンのいない間に彼女のアパートに忍び込んで、なし崩しに住み着いてます(ストーカーだよね、違うの??かな?)。彼がハンサムで礼儀正しいからなんとなーく不問になっているだけで、けっこう変態気質だと思います(キッパリ)。

ケイドリンは戦士としてのプライドがたいへん高く腕もたち、自分の死を予言されてもそれをセバスチャンに隠して宝探しを続けます。誇り高い女王様気質ですね。奴隷とまでは言いませんが、やっぱりセバスチャンは下僕タイプだとしか思えませんし、だからこそ女王様っぽいケイドリンがストライクど真ん中なんじゃないかと思いました。

しかもセバスチャンは最後の最後までケイドリンに放置プレイをかまされて、じっと耐えていました(放置の理由はあるのだけれど、プレイの一環にしか見えない心の目が汚れた私が再登場)。だから2人は割れ鍋に閉じ蓋的な、お似合いのカップルと言えるでしょう。

 

 

*1:ヴァルキリーとは、北欧神話に登場する戦乙女ヴァルキュリャの英語読み表記で、 戦場において死を定め、勝敗を決する女性的存在である。彼女たちは王侯や勇士を選り分け、北欧神話における主神オーディンの宮殿へ迎え入れて彼らをもてなす役割を担った